東京高等裁判所 昭和42年(ツ)77号 判決
原判決は上告人(賃貸人)と被上告人(賃借人)との間に建物の一部について期間は昭和四十年四月末日までと定め、引続き賃貸することとし、この契約は更新しない旨の調停条項が成立したこと、右調停事件は建物の明渡を前提として話が進められていたことの事実を認定した上右調停条項は期限付合意解約を定めたものと解し、右解約は一時使用のための賃貸借と認められない限り賃借人に不利なものである場合は借家法第六条の適用があると判断し右解約は賃貸人である被上告人に不利なものであると認定して右解約を無効と考え、上告人の請求を棄却したものである。しかしながら調停において期限付合意解約をなすことは有効であり、その解約の趣旨が賃貸借の期間を終了させる意味であれば、借家法第一条の二、第二条第一項の各適用、従つて同法第六条の適用はないものというべきであるから(昭和三一年(オ)第四六七号最高裁判例集第十巻第十号、昭和二四年(オ)第二七一号最高裁判例参照)本件が一時使用のための賃貸借でなくとも前記解約は借家法第六条の規定にかゝわらず有効である。
(毛利野 石田哲 矢ケ崎)